Blenderを使ってCGで雲を作ってみる その11

みなさんこんにちは武田です。

前回は、ゆっくりと落下する雲の代わりに煙を発生させて、それを風に吹き流して巻雲を作ろうとしました。
煙なので、ちょっと違う印象なのですが(発生源の根元がどうしても一番濃いとか)
一番濃いところは逆に薄く表示する、とか表示の方の工夫で、一応それらしい形になりました。

ところで、本来目指したもっと「シュッ」と伸びた巻雲にはなかなかならないのですね。
巻雲じたいはいろいろな形になるので、こういう乱流が起きているような巻雲なのだといえばそれで良いのですが。

シュッと伸びた巻雲の写真がとれたので、載せてみます。シュッとしてますね。

もうちょっとだけこだわって、煙をシュッと伸ばす方法を模索してみました。
とはいえ、実際にシミュレーションでこの感じを出すのがなかなか難しく、結局あまりシュッと伸ばすことはできなかったのですが。
こういう試行錯誤をしました、という記録になってしまいました。

まず、速い風の流れが真ん中にあって、そこに沿って雲が流れているのかな?
と考えて、速い風を中心に置いて見ましたが…

なんだか風の流れが巻き上がってしまって乱流な感じです。

入道雲を作るときには、結局実スケールに近くなるようにシミュレーションのサイズを大きくしないとなかなか難しかったので、
今度はスケールを4倍ぐらい大きくしてみました。

ちょっと差はあるようですが…なかなか乱流が落ち着いた感じがしません。
速い速度で風をふかしてもダメなのでしょうかね。

パラメータをいろいろと変えて試してみるのも大変なので…
科学の力を借りてみます。大学でかすかに習った気もする流体力学の記憶を遡ってみますと…
滑らかな流れにしようとしても、ある程度以上の速度差が大きくなると、自然に流れが乱れて乱流になる、とかいう法則がなかったっけ…?

改めて調べてみると、そういうのに関係した理屈、ありましたね。
流体の特性を記述するレイノルズ数。

Re = ρLU/μ

ρは密度
Lは長さ
Uは速度
μは粘性係数

速度Uが分子に、粘性が分母にあるわけですから、速度差が大きくて、流体がさらさらしているほど Re は大きくなります。
Re が一定以上に大きくなると、流れに乱れが発生して乱流が発生するそうです。

ということは、きれいにシュッと吹き流そうと思って風を強くすればするほど、その勢いでますます乱流になって逆効果!?になりそうです。

そこで、風を弱くして、ついでに最初に与える乱流も弱くします。
(発生した煙がそのまま下にストンと落ちないように、ちょっと乱流を与えていました。)

風を弱くするので、それに合わせて落下のためのパラメータもごくごく小さく調整してみます。
つまり、物事が乱れないように、しずしずとシミュレーションをしてみるということですかね

すると、当然ながら物事の進み方も非常に遅くなるので、FPSを落として1フレームで進む時間を大きく設定します。
おや?FPS の最低値が1なので、これ以下にはできない…?
かと思いきや、その下の Base の値を変えれば、1FPS 以下のフレームレートも達成できるようです。

さて、そうして乱流を抑えようと頑張ってみたのですが…

乱流を抑えられていませんね。
巻雲の形のバリエーションは増えたのですが、目指したシュッとした雲の流れにはなりません。

風を吹かせて、自然な形でシュッとまっすぐ流すのがなかなか難しいようなので…
こんどは、シミュレーションの別の機能を使ってみます。
風の設定の中の、Flow の値を大きくすると、風の流れを自然に任せる状態から強制的に指定通りにする効果が入るようになります。

が、どうも乱流で乱れます。

さっきのレイノルズ数をみると…系のサイズが大きくても乱流が発生しやすいようですね。
ということで、ぎりぎりまでシミュレーションボックスを小さくして見ました。
比較が無いので見た目は変わりませんが、長さ40cmほどの小さな箱です。

…ここまでいろいろ試してみたのですが、どうにも乱流を抑えられません。
風を吹かせて煙を吹き流して乱流を抑え込むのは難しそうだ、ということで、発想を変えてみます。

煙を良い形に吹き流そうと思って空気を大きく動かすので乱流が起きるので、
あまり動かない空気の中で、発生源の方を動かして煙を置きに行く、ということを試してみます。

煙が箱からはみ出して消えてしまわないように…ということで周りから押さえつけるように風を設定してみました。

かなりの無理矢理感があります^ ^);

これで、どうにか乱流をあまり起こさずに吹き流されたような形を作ることができました。

なんだか農薬散布している飛行機のようではありますが…

いろいろと試してみたのですが、どうにも難しいので、なんで難しいのか考えてみました。
本当の巻雲は、空気の中をしずしずと落下している微小な氷の粒です。
氷の粒が落下しても、空気の方は(あまり)影響を受けません。
でもシミュレーションの煙は、空気と一体化して動いています。
煙を下に落とそうとすると、空気自体も下に動かなければなりません。
そうすると、空気の一部が下に動いていくわけですから、どんなになだらかな流れにしようとしても、空気の流れが乱れてしまって、乱流になるのではないでしょうか。

あれっ?そうすると煙のシミュレーションで、乱流の無い巻雲つくるの、厳しくない?
ということで、どうしたものかと考えながら、次回に続きます。

(今回散々試したように、乱流に乗って氷の粒が舞っているような雲ならO.K.そうですが…!)

今回作った煙の巻雲です。やっぱり乱れは強いですが、少しだけシュッとした感じになりましたかね…?

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