皆さんこんにちは、武田です。
暑い日、そしてここしばらくは本当に雨の日が続きました…
前回までモクモクした雲(積雲)についていろいろと試したりしていましたが、
一応は納得できたのでもう少し雲の種類を広げて考えてみます。
巻雲は、空の高いところにでる雲で、筋状に流れているような形状が典型的です。
入道雲といえば夏の空の主役ですが、巻雲は秋や冬の空の重要な立役者ですね。
(別に夏空にだって普通に出ているのですが)
さて、巻雲自体も、いろいろと形をしてたバリエーションがあるのですが、
中でも典型的なのが、すじを引いたような雲の鉤状雲です
![](https://vasa.jp/wp1/wp-content/uploads/2021/08/Uncinus01-1024x608.jpg)
典型的、というにはちょっと不規則ですが、鉤状になっている雲の写真が撮れました。
さて、この鉤状雲、なんでこういう形をしているのかについて調べていたのですが…
雲の粒(氷)が落下しながら流されているためにこうなるそうです。
![](https://vasa.jp/wp1/wp-content/uploads/2021/08/UncinusIllust01.png)
参考にした解説には「雲の発生そのものがなぜ起こるのか」は書いていなかったのですが、
多分弱い上昇気流があるのでしょう。(確信が無いので図には?マークを…)
モクモクした積雲の場合は、上昇気流が強いので、多少雲粒が落下するとしても、
上昇気流でどんどん上にまきあがっていきますが、巻雲のような時にはそのまま落下してしまうのですね。
(といっても典型的な雲粒のサイズで秒速1センチメートル、時速36メートル程度だそうです)
なるほど、そうだったのか!
![](https://vasa.jp/wp1/wp-content/uploads/2021/08/UncinusIllust02.png)
言われてみれば、確かに下に落ちているような形をしていて、上に登っていくような形の雲は見ない気がする!
念のため画像検索してみても、逆向きになっているような雲はなかなか発見できません。
あの形は3次元構造しているから空を斜めに見上げると、鉤状になって見えるのですね。
しかし、そうすると、雲をCGのモデルで表現しようとするとちょっと厄介です。
なんで3次元構造だと厄介なのかというと…
最終手段の、写真を撮ってそれを元にモデルを作ってしまえ!
というのが難しくなるからですね。
平面のパターンだと思ってモデルを作れません。
この頃は、いろんな方向から写真をとれば、立体モデルを作れるご時世ですが、
雲をいろいろな方向から写真を撮る…?
協力者を募ったり、空を観測する仕組みを広い範囲で各所に設置すれば、不可能ではないはずですが、
さすがにハードルが高すぎです。
鉤状雲、落下しながら風に流されていれば良いので、頑張ればそれっぽい形状が作れるかもしれません。
ということで、今度は巻雲っぽい煙を作れるかどうか、挑戦してみましょう。
![](https://vasa.jp/wp1/wp-content/uploads/2021/08/SimUncinus01.png)
風に流すので、細長ーいシミュレーションのドメインを用意しました。
煙の発生源は…
とりあえず、細かいのを点在させてみます。
発生源の下に風をの発生源を配置しました。
落下させるので、浮力をマイナスにします。
![](https://vasa.jp/wp1/wp-content/uploads/2021/08/SimUncinus02.png)
蒸発して消えていくので、Dissolve(消滅)のパラメーターも入れました。
積雲の時は、結局シミュレーションボックスをリアルスケールにしましたが、
kmスケールでのシミュレーションは扱いが大変なので、
とりあえずスケールは無視して見た目で調整です。
さぁ、シミュレーションして見ます。
(といっても、実際には一発でできているわけではなく、
結果を見ながらパラメータや位置を何度も微調整しています)
![](https://vasa.jp/wp1/wp-content/uploads/2021/08/Uncinus01.gif)
んん、確かに鉤状雲、に近い形にはなっているようです。
デティールの説得力は、でもまだ弱いですね。
何をどうすれば本物に近づいていくでしょうか…?
ということで、ゆるっと続きます。