Blenderを使ってCGで雲を作ってみる その9

皆さんこんにちは、武田です。

暑い日、そしてここしばらくは本当に雨の日が続きました…

前回までモクモクした雲(積雲)についていろいろと試したりしていましたが、
一応は納得できたのでもう少し雲の種類を広げて考えてみます。

巻雲は、空の高いところにでる雲で、筋状に流れているような形状が典型的です。
入道雲といえば夏の空の主役ですが、巻雲は秋や冬の空の重要な立役者ですね。
(別に夏空にだって普通に出ているのですが)

さて、巻雲自体も、いろいろと形をしてたバリエーションがあるのですが、
中でも典型的なのが、すじを引いたような雲の鉤状雲です

典型的、というにはちょっと不規則ですが、鉤状になっている雲の写真が撮れました。
さて、この鉤状雲、なんでこういう形をしているのかについて調べていたのですが…
雲の粒(氷)が落下しながら流されているためにこうなるそうです。

参考にした解説には「雲の発生そのものがなぜ起こるのか」は書いていなかったのですが、
多分弱い上昇気流があるのでしょう。(確信が無いので図には?マークを…)

モクモクした積雲の場合は、上昇気流が強いので、多少雲粒が落下するとしても、
上昇気流でどんどん上にまきあがっていきますが、巻雲のような時にはそのまま落下してしまうのですね。
(といっても典型的な雲粒のサイズで秒速1センチメートル、時速36メートル程度だそうです)

なるほど、そうだったのか!

言われてみれば、確かに下に落ちているような形をしていて、上に登っていくような形の雲は見ない気がする!
念のため画像検索してみても、逆向きになっているような雲はなかなか発見できません。

あの形は3次元構造しているから空を斜めに見上げると、鉤状になって見えるのですね。
しかし、そうすると、雲をCGのモデルで表現しようとするとちょっと厄介です。

なんで3次元構造だと厄介なのかというと…
最終手段の、写真を撮ってそれを元にモデルを作ってしまえ!
というのが難しくなるからですね。
平面のパターンだと思ってモデルを作れません。

この頃は、いろんな方向から写真をとれば、立体モデルを作れるご時世ですが、
雲をいろいろな方向から写真を撮る…?
協力者を募ったり、空を観測する仕組みを広い範囲で各所に設置すれば、不可能ではないはずですが、
さすがにハードルが高すぎです。

鉤状雲、落下しながら風に流されていれば良いので、頑張ればそれっぽい形状が作れるかもしれません。
ということで、今度は巻雲っぽい煙を作れるかどうか、挑戦してみましょう。

風に流すので、細長ーいシミュレーションのドメインを用意しました。
煙の発生源は…
とりあえず、細かいのを点在させてみます。
発生源の下に風をの発生源を配置しました。

落下させるので、浮力をマイナスにします。

蒸発して消えていくので、Dissolve(消滅)のパラメーターも入れました。

積雲の時は、結局シミュレーションボックスをリアルスケールにしましたが、
kmスケールでのシミュレーションは扱いが大変なので、
とりあえずスケールは無視して見た目で調整です。

さぁ、シミュレーションして見ます。
(といっても、実際には一発でできているわけではなく、
結果を見ながらパラメータや位置を何度も微調整しています)

んん、確かに鉤状雲、に近い形にはなっているようです。
デティールの説得力は、でもまだ弱いですね。
何をどうすれば本物に近づいていくでしょうか…?

ということで、ゆるっと続きます

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